娘の七五三  (2)

 娘の七五三の日がやってきました。豆つぶみたいな姿で私のお腹にいたころから考えると、目の前で「やっぱりレンコンは天ぷらが一番だねえ」「この漢字、2年生には難しすぎるわ」とかと言っているのが不思議な感じ。つい最近までわけのわからん宇宙人みたいだったのに、今じゃあすっかり地球にも慣れましたとばかり、ひょうひょうとした暮らしぶりです。

 お詣りにみんなで行こうねと、うちの母が実家から持ってきたのは、私が7歳で着た着物。朱色地に白い牡丹の柄のものです。わあ懐かしい。そう言うと母は「これは元々(姉の)キヨコばばが着たもので、お母さんと(妹の)ヨシコばばも着たんだよ。ばばちゃん(私の曾祖母)が誂(あつら)えてくれたもの」と。クラシックと思っていたけど道理で…。曾祖母は、今はもう天国におりますが、演劇にプロレスやサーカスなど、華やかなもの楽しいもの、粋なものが大好きで着道楽の食い道楽という、私たちにとっての伝説的人物。彼女が求めてくれたものを身につければ、娘も愉快な一生が送れそうな気がします。

 帯や草履などは「ふうちゃんに似合いそうやから」と母からの贈り物。帯揚げは夫の母が「これは私がしたものよ」と絞りの、とても美しいものを届けてくれました。と言うことはおよそ80年前のものだということ。義母は畑仕事に編み物縫い物何でもできる、娘にとってのスーパーおばあちゃん。健康とご長寿の力をいただこう。

 私からは髪飾りを贈りました。大徳寺近くのお店で、つまみ細工のかんざしを娘とふたりで選びました。選んでいるときの、嬉しそうな真剣な横顔に(大きくなったなあ)とふと思う。かのこ飾りは私がちくちく手作りし、支度は全て揃いました。

 この日まで伸ばしに伸ばした髪の毛で「ぐはー!」と、自分も見たことない映画『リング』の貞子の物真似をして1歳の弟を脅かしていたけれど、それも今日まで。きゅっと髪を結いあげ着物を着たら、すっかりお姉さんになりました。無事にこの日が迎えられて良かったな。

 おめでとうおめでとう。

 

 

 

 

 

(2014.11.27.京都新聞掲載)