家族で京都暮らし (1)

 庭で洗濯物を干していて、傍らのセンリョウに青い実がぽつぽつ付きはじめたのを見つけました。冬の庭を彩る赤い実、もうひっそりと準備を始めているんですね。

 東京から京都に越してきてまもなく2年。今は築年数不明という古い一軒家を借り、家族4人で暮らしています。

 黒いすべすべの柱、畳の香り、障子越しに入ってくる日の光、どれも私の好きなものです。扉の引き手やそちこちについている小さな鍵、縁先の手水(ちょうず)鉢も趣が。母譲りの引っ越し好き、実家を出てからも転々としてきましたが、落ち着かない暮らしをしてきたせいか余計に、ずっと変わらないもの、長い時間が刻まれてきたものに憧れ、愛着を覚えるのかもしれません。この家は大事に住み継がれてきたことがよくわかります。縁あってここに暮らすことができて良かった。これからの時季は夕暮れ、台所の漆喰壁に紅葉の影が落ちるのが美しいんですよ。

 季節の移り変わりを肌で感じ、極力地面に近いところで子ども育てたいという思いは、京都に来て叶えられつつあります。庭でクマゼミの羽化するようすを見ることができたり、徒歩2分の賀茂川でお花見したり。冬の寒さも堪能しました。真冬、朝の台所の室温計は4度! 息が白くてつい笑ってしまった。

 食卓に上がるものも、うんと新鮮な食材になりました。できたてのお豆腐や取れたての野菜がうれしい。

 これから京都暮らしで体験したこと、思うことを四季折々つづっていこうと思います。7歳娘、1歳息子を抱えての日々はどたばたですが、目線を低くすることで見えてくるものも楽しみたい。どんぐり拾い、きれいな落ち葉やキノコ探しも、子どもよりうまいのが自慢です。さ、いっぱい秋を探すぞー。

 

 

 

 

(平成26年10月23日 京都新聞掲載)