美山で秋を満喫 (14)

 美山で秋を満喫しました。

 思いつきの1泊2日。お天気良さそう、なんて話から「じゃ里山の秋を見に行こう!」ということになったのであります。

 美山は、写真でよく見ていた憧れの地です。茅葺きの里に清流、芦生の森。おいしいものもいっぱいありそう。期待を胸に、京都市内から国道162号を北上しました。山道を進んでいくと、小3の娘が「あ、北山杉だ!」

 最近、学校で学んだようです。

「間隔を狭くして植えてるのは、太らせないよう、細く長く育てる工夫」「細いけどじっくり育ってるから強いんだよ」「台杉っていう杉のお母さんみたいなやつから苗をとって育てるの」「あれ、多分“人造絞り丸太”やわ」「林業する人が減ってるから大変なんやで」などと語りだしました。きっと楽しく学んだのだろう。いちいち詳しくて面白い。おかげで私も勉強になりました。関西弁も上手になったね。

 北山杉についての知識を深めたころ到着。なんと家からたったの90分です。近い。

 赤い橋を渡ると、道の駅です。さっそくの紅葉が美しい。駐車場に車を停めて探索開始。写真の案山子と記念撮影を(たくさんいてびっくり!)。それから美山牛乳のジェラートとソフトクリームを頬張りました。新鮮なミルクの香りいっぱいです。

 美山川の青く透んだ流れ、たわわに実った黄色の柚子(ゆず)。夕暮れどきには、オレンジからピンク、薄い紫色に変わっていく空に見とれました。柿、菊やコスモス、ススキ。紅葉だけじゃない、秋の色があふれています。

 宿では、美山のおいしいもの尽くしでした。この地で育った鶏のすき焼き。子持ち鮎の塩焼き。炊きたての栗ご飯に、松茸の土瓶蒸し。大ごちそうです。

 地元の方によると、芦生の森には縄文杉が何本もあるそうで、興味津々です。次はガイドツアーにも参加してみたいな。娘と行こうかな。

 思い立って来てみて、良かった。ちいさな旅で、抱えきれないくらいの秋の色、形を見つけました。

 またひとつ京都のお気に入りができました。

 

 (京都新聞 2015.11.26掲載)